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鉄道会社の現状

 都市交通としての電車の役割は、主に通勤通学用の足であり、旅行や行楽の手段と考えられることはあまりありません。そして通勤通学のための利用客は、昭和の時代から比べると大幅に減少しました。自動車通勤の増加や通信ネットワークを用いた在宅勤務の増加、少子化に伴う通学客の減少。沿線の宅地化が充分に進み、これ以上の沿線人工増が見込めなくなったことも、鉄道会社の経営者にとっては憂うべき事態でしょう。
 最近はあまり耳にしませんが、一頃は鉄道業を斜陽企業とか呼ぶのをマスメディア等でよく目にしました。鉄道会社の経営者も鉄道業に力を注ぐのがだんだんイヤになり、多角的な事業展開によって何とか右肩上がりの業績を維持しようとしました。ショッピングや不動産、ホテル経営等に尽力し、電鉄本来のイメージすら脱ぎ捨てようとしました。
 ところが、鉄道以外の事業も事情は大して変わらず、経営者の思惑どおりの収益を得ることはなかなかかなわなかったんですね。その理屈はいたって簡単で、大企業をさらに食い太らせるほどの余力が日本の国土自体になかったのです。すでに飽和状態の土地からさらなる収穫を得ようというのは、魔法遣いにしかできない曲芸です。
 IT関連や映像文化等は、電脳世界という魔法を使って曲芸を実現し、生産会社は多国籍企業と称して国を見限り外国での儲けを企てたのですが、電鉄会社にはそういったノウハウも柔軟性もありませんでした。なにせお堅い企業ですから。
 それでも企業は右肩上がりの業績という幻に固執したがるもので、安全も人的資産も投げ出して合流化景気という無理矢理な上昇グラフを描き出し、さらには会社の分社化や統合を繰り返してごまかしの黒字会計を捻出し、何とかして株価を維持しようとし続けました。
 今や多くの企業が投資家に儲けさせること以外には何も考えていない状態で、鉄道会社はその最先端をひた走っています。人的資産というレベルで見ると、企業の内部はボロボロで、安全やサービスの提供に携わる人員は充分ではなく、残り少ないスタッフの多くがアルバイトや下請け会社の派遣社員や、労基法を無視した契約社員です。
 その反面、現場のスタッフを監視したり、上述したようなごまかし黒字会計を担うスタッフの割合は増えつつあります。生産性という点ではあまりよろしくない事務員ばかりが多くなり、充分な高給を頂いているのも事務職の社員です。
 いったい何をやってるんだか、と思ってしまいますが、日本の多くの大企業が同じような感じでしょ?

 今の日本経済は、多くの企業が出口の見えない迷路でもがいている状況で、投資家が企業から搾取を続けているわけです。株式会社なんですから、この関係は正当なのですが、ここから脱却して、企業を支えているのが生産性にちょくせつ寄与している労働者であり、お客様であるという基本を思い出さない限り出口は見つけられません。
 単純な話し労働者が富まなければ、企業が生産してもそれを買う人がいない。一握りの資産家だけがどんなに散財したところで、消費は思うように伸びませんからね。
 そこで、労働運動が必要になってくるわけです。今の労働者は統一行動の力、団体交渉の力を見くびり過ぎています。大企業相手に自分たちが無力であると思い込んでいることこそが、じつは日本経済の致命傷なのです。
 経済を活性化させるには、大衆に対して金をばらまく、これは江戸時代からの常識です。経済はそれほど単純なものではありませんが、複雑に捉え過ぎて基本を見失っていては何も始まりません。
 鉄道労働者は、かつて"国民春闘"と銘打って電車を止めてでも企業と闘いました。その闘いは単組レベルでは自分たちの要求の主張ですが、それを以て世に労働者の強さ、働く者の力を示し、全国の労働者に運動の必要性を喚起しました。だから"国民春闘"なのです。さらには地域への福祉の増強や雇用のk確保も要求したのです。できたのです。
 むかしの話しだと思うかもしれませんが、基本は今も変わっていないし、働く者の賃金や労働条件は、企業がくれるものではなく、闘って勝ち取るものというのも変わっていません。
 社会は一握りの資産家と政治家が造るものではなく、働く者が創るものなのです。遠いむかしから時代の最先端に立っているのは我々なのです。

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