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煩雑で不便なダイヤ

 最近の鉄道はどこも、ひじょうに複雑なダイヤとたくさんの種別(急行とか特急とか)で、訳がわからなくなってしまいました。簡単明瞭で快適に利用できる便利な乗り物とはほど遠い、不便な乗り物になってしまいました。始端から終端まで40〜50キロていどのローカルエリアに、急行や快速、準急、特急、快速特急、区間普通なんかがひしめき合い、互いに運行を妨げ合っている状況です。ローカルエリア内で2度3度と乗り換えなければならなかったり、終端に近づくと急行が普通の後を追ってノロノロ運転になってしまったり、何が何やら意味がわかりません。
 今の鉄道会社は机の上で路線図を上から見下ろすだけでダイヤを引き、旅客の便宜などまったく考えていないかのようです。
 たくさんの荷物を抱えて、あるいは健康上の問題を抱えて、子供を連れて、何度も乗り換えねばならない苦労など、鉄道の経営者は意に介しません。区間普通じゃなくて、全線完走する普通があれば、時間がかかっても乗り換えの労なしで旅行できるのですが、そんな優しさは今のダイヤにはありません。
 種別があまりにも多いので、普通を追い越した準急は特急に抜かれ、特急は快速特急に抜かれ、それぞれ運行を妨げ合い時間がかかってしまうことになります。せめて準急がなければ、普通は準急並みの所要時間で走れるのに、通過待ちや連絡を繰り返して遅々として進めません。
 終端駅近くの区間では、普通車の駅停車を後続の急行が信号待ちしてるといったありさまです。全線を通じて見れば急行の方が普通より数分速いのですが、区間によっては普通の方が速くなっています。
 車掌や駅のアナウンスで、○○駅へは次の準急が先着です、といったアナウンスが流れていますが、その差はせいぜい2分ていどです。準急さえなければ、普通が準急以上に速く走れます。
 そうまでして、たくさんの種別を走らせる意味が、鉄道員歴○十年の筆者にも解りません。
 錯綜する複雑なダイヤのせいで、終端付近では自然渋滞が生じるので、今のダイヤはひじょうに電気代がかかります。ブレーキと起動の繰り返しで、惰性運転が少ないですから。しかし輸送力は向上していない。本当にこれがプロの組んだダイヤなのかと疑いたくなります。
 我々乗務員が抗議しても、旅客が意見しても経営者には何も伝わりません。現場や意見窓口は経営批判は極力トップの耳に入れないように頑張っています。でないと成績が下がるのは自分たちですから。
 ダイヤの複雑さはさらに大変で、時間帯によって走る種別が大幅に変わります。曜日によっても変わります。むかしのダイヤでも、通勤時間帯には専用の種別(通勤特急など)が追加されるといった時間帯による変更はありましたが、あくまで追加でした。しかし最近のダイヤでは、ラッシュ時には急行が走るが閑散時にはこれがなくなって快速が走るといった変更が起ります。急行と快速とどうちがうのか、始端から終端までを通してみると、じゃっかんの停車駅のちがいが見られるのですが、旅客の多くは一定の区間しか旅行しません。その人たちにとっては、ちがいが判らないし変更の意味も解りません。目的地に行くのに何に乗れば良いのか尋ねようにも、駅員の姿が見えません。駅にあるのは無言の自動改札と券売機、それに何も知らない販売斡旋アルバイトだけです。
 なぜこんな煩雑で、電車同士の渋滞を招き、電気代のかかるダイヤを作るのか? 経営者の能力を疑います。まるで鉄道マニアがたくさんの種別が絶妙に連絡し合う状況を楽しんでいるかのようです。経営は遊びではないのです。この電車ごっこのおかげで、旅客は快適な旅行を阻害され、係員は正確な案内に苦慮しています。また沿線周辺の地域では、電車のノロノロ運転のため踏切がなかなか開かないという交通阻害が発生しています。
 このようなダイヤに、旅客はなんのメリットがあるのかと、たまたま運転台に添乗してきた会社のトップクラスに尋ねたことがあります。えらいさんは、競合他社の旅客の誘致だとか何だかと意味不明なことをモゴモゴ言うだけでした。そんな企業の都合じゃなくて旅客の利便性について尋ねたのに……。で、あとから助役様にトップに口を利いたことをしっかり説教されましたとさ。

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