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労働組合を育てよう

 今の世の中は、極めて資本家本意に運営され、我々労働者は企業に搾取され食いつぶされるばかりのように思えます。企業は業績が下がるとすぐに賃下げや解雇の判断をし、国もそれがしやすいように、製品管理の規制を緩和し、契約社員制度等を奨励奨励しています。企業が貧窮すると国が回らない、そのためには労働者を犠牲にするしかない、資本家や政治家はそんなふうに考えているのでしょうか。
 しかしながら、労働者が貧窮しているせいで消費が低迷し、企業はものが売れず、国は税収入が落ち込んでいるのではないでしょうか?
 企業は収益の多くを投資家に配当し、事業展開のために銀行から借金し続けます。配当と借金をつつがなく継続することが、企業としての責務であり、それで経済が回る、消費者景気などは当てにしない、そんなふうに考えているように見えます。
 労働者の賃金を抑え雇用も縮小するから、消費も伸びない。生産を縮小するしかない。それでも配当と借金を縮小するわけにはゆかないから、さらに人件費を削って費用を捻出する。また消費が後退する。お金は資本家だけに集まり、そこで停滞したまま回らない。それが今の経済情勢ですね。
 人件費を削減するための賃金カットと雇用の縮小を進めるためには、労働運動を押さえ付けなければなりませんから、企業は生産性に直接関わらない監督職ばかりを増やし、現場に圧力をかけて労働者が団結しないようにし、不当労働行為によって労働組合を抱き込んでしまおうとします。
 労働組合の役員をすべて会社が選定した人員に置き換えてしまうと、役員と絶えず緊密にコミュニケーションをとるようにし、会社と組合役員との結束を高めてゆきます。一方、労働者は労働組合に対する不信感を募らせ、組合との関係が疎遠になり、労働運動は沈降してゆきます。多くの労働者が組合も労働運動も当てにせず、保身に走ります。会社の思うツボですね。

 すべて会社の選定した役員で埋められてしまった労働組合は、まったく当てにできないものなのでしょうか。組合役員はすべて役員の労を出世の足掛かりと考えているのでしょうか。そんなことはありません。そうなってしまうのは、職場仲間が彼らを信じないからです。

 会社が、労働組合の役員を選定するやり方はこうです。社内のスポーツクラブや同好会、車掌や運転士登用時の指導員との師弟関係などを利用し、そうしたグループから昇進した監督職が、グループ内から会社公認の役員候補を推薦します。白羽の矢が立てられた者は、保身のためあるいは先輩監督職の成績のため、同じグループの後輩の成績のために立候補を承知します。グループの仲間のためという大儀が、彼を自分は正しいことをしているという判断に導くのです。極めて縦社会的な方法ですね。
 そうした候補者の中には、役員としての出世を目指し職場のリーダーシップをとろうと野心に燃えている者もいますし、本当に職場のために頑張ろうと思っている者もいます。それなら会社公認を背負わずに民主的な立場から立候補すればよいのですが、会社の強硬な選挙対策の前に敗退することは目に見えているので、当選するために会社公認を利用してやろうとういわけです。
 そして、組織選挙によって当選した代議員に対して、会社は監督職を使って緊密なコミュニケーションをとり続けます。監督職は、役員たちに対して、会社の労務政策を利用して自分たちだけ出世しようなんてことは言いません。会社の将来は君たちの双肩にかかっている、一緒に会社を守っていこう。経営の事情も解らずに自分たちの権利ばかり主張する労働者の要求をなんでも飲んでいたら、会社は衰退するだけだ。会社が豊かになれば労働者の賃金も増やすことができる。職場仲間を守ることにもなるのだ。今はむかしみたいに単純な社会情勢ではない、会社が生き残るためには、労使が強調して厳しい時代を乗り越えて行くしかない。何も解らずに勝手なことばかり主張する労働者の矢面に立つ役員さんたちは本当に大変だと思うが、君たちの努力はきっと報われる…。そんな感じで激励するわけです。
 これに対して職場の労働者はどうでしょう。組合主催の集会や行事なんてバカバカしくて参加できない。会社公認の役員は信用できない。役員と話しをすると上司につつぬけなので注意しないといけない。そんなふうに組合の役員を遠ざけているのではないでしょうか。
 会社側は監督職に高給を払って組合役員に積極的にアプローチする、共に頑張ろうと毎日のようにエールを送る。これに対して労働者は、信用しない協力しない、言うだけ損だという態度です。
 職場のために本当に頑張ろうと思っていた役員も、労働者の非協力と無関心、敵視ともとれる態度に落胆してしまいます。これに比べ会社に付いていると、自分の努力が評価されるし、会社を守るという使命感を実感できるし。身勝手な要求と不平を言うばかりで努力しない労働者よりも、会社に付く方が良い結果が得られるのではないか、正しいのはやはり会社なのではないか、そんな気持ちになってしまいます。

 労働者は、労働組合の役員を信頼しなければなりません。信頼関係こそが横社会の力なのですから。役員たちと仲良くなり、職場で問題が生じたら役員を頼りにしましょう。
 会社との交渉を直接行なうのは労働組合です。不満や怒り、要求は、役員を通じて会社にぶつけなければなりません。職場の仲間が積極的に組合の行事に参加し、組合を頼りにすれば、労働組合は必ず労働者のために働いてくれます。労働組合の名を冠している以上、それを拒むことはできません。そして1人よりも2人、2人よりも大勢で意見を統一して役員に働きかけましょう。
 労働組合を育てて行くのは労働者自身です。組合を信頼し熱心に働きかけ続ければ、きっとその信頼に応えてくれますし、労働者の大きな力となってくれます。

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