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子供たちにもっと手を振ろう

 親子連れの子供たちが、乗務員に手を振るために待ち構えている、そんな光景もよく目にします。電車から降りても立ち去らずに、乗務員の近くにとどまり、手を振る機会を伺っていたりします。乗務員は列車が停車中は旅客の乗降監視の仕事があるので、すぐには子供たちに対応できません。それを心得ているのか、静かに待っていてくださるケースがほとんどです。
 そして乗務員が乗降監視を終え、発車間際の列車から手を振ると、ひじょうに短い時間ではありますが、素敵なコミュニケーションが生まれます。「これからどこに行くんですか?」とか「気をつけてお帰りくださいね」なんて声をかけても、小さな子供たちは返事をせず、ただ笑って手を振り続けるだけです。彼らは乗務員への言葉なんて用意してませんから。それに言葉を交わす充分な時間もありません。
 筆者は可能な限り、大きく手を振り、なるべく声をかけるようにしています。するとその行為に笑い出す保護者の方がけっこういます。でもそれは大変好意的な笑いなので、筆者は大満足です。「よかったねぇ」とか子供に言っている声が遠ざかるホームから聞こえて来ます。
 保護者の中には、こちらが子供たちに手を振り返すと、お礼を言ってくれる方がけっこういます。なんていい人なんだろう、きっと子供たちも良い子に育つでしょう。
 さらに、これはひじょうに少ないケースですが、子供が乗降監視中の乗務員に向かって「車掌(または運転士)さん、ありがとう。お仕事頑張ってください」なんて言ってくれることがあります。少し離れたところで、保護者の方がこちらに軽く会釈されたり。お金を払って乗っているのに、乗務員に礼を言うなんて。その子は感謝の気持ちというものを親から教え込まれているのでしょう。「恐れ入ります。気をつけてお帰りください」思わず目頭が熱くなってしまいます。

 他にも、駅に隣接するビルから、踏み切りから、思いがけないところから子供たちは手を振って来ます。それらにももちろん応えなければなりません。でも、電車にだけ注目している子供は、乗務員にまで気づかないことも少なくありません。しくしく。
 あるいは、大きなお友だち……高校生くらい……が手を振ったり、敬礼をしたり、そんなこともあります。いちおう振り返しますけどね。女子高校生の集団などは、返礼するとキャーとか言ってはねます。ま、なんでも楽しむことは良いことです。ただ、敬礼は動きが小さいので見落とすことが多いです。やっぱ手を振っていただく方がいいです。
 ここで注意が必要なのですが、あまり大きな動作で激しく手を振ると、ホームに進入中の列車に対してそれは緊急停車を促す信号という意味が生じる場合があります。法規的にも停止手信号として明記されています。停止手信号を認めた運転士はただちに列車を停止させなければなりません。電車が非常ブレーキで止まったりすると、場合によっては警察の事情聴取ということになりますから、オーバーアクションにならないように手を振りましょうね。
 旅客と手を振り合う、それはたいへん小さな何の意味もない行為ですが、お互いに心が温まるひじょうに大きなコミュニケーションです。情報を伝達し合うだけがコミュニケーションではありません、機械じゃないんですから。人と人とが係わり合って暮らすって、そういうことなんじゃないかぁ、そんなふうに思うのですよ。

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